2006年9月16日

大沢悠里のゆうゆうワイド「女のリポート」で・・・

いろりの友で入所女性にフェイスエステを3年間行っているK.Tさんの投稿が、TBSラジオ大沢悠里のゆうゆうワイド「女のリポート」で紹介されました。

 お客様のお宅に伺って行うフェイスエステの仕事を、30代の美しい奥様にさせて頂いている時の事です。奥様はフェイスマッサージを受けながら「とても気持ちが良いですねェ」。そして、「これを、うちのお婆ちゃん達にして頂くのはどうかしら?」と、おっしゃいました。「うちの...」と、おっしゃるのは御主人と、その御両親、その御母様で経営されている老人介護施設の利用者さん達の事でした。「施設では、ゴム風船を使ったバレーボールや輪投げ、音楽療法など、楽しく機能回復訓練をしています。女は幾つになっても綺麗でいたいですね。私がうんと歳をとって自分でするのが難しくなっても、綺麗にして頂いたらそれだけでも元気になれるような気がします。夫に提案してみますから、その時はお願いしますネ」と言われ、数日後、週に1度、2時間、ボランティアなどでなく仕事としてやって欲しいと正式にお話を頂きました。
 フェイスエステと言えば、じっくり時間を掛け、マッサージ、パック等、ひと通りのコースを行います。しかし、認知症、車椅子で生活されている方に数十分もじっとして頂くのは無理かもしれないと考え、フェイシャルの時間を短縮し、普段私は行なわないメークアップをプラスして行う事にしました。お化粧をしていた若い頃を思い出して、少しでも華やいだ気分になって頂こうと張り切りました。が、大きな誤算がありました。私が生活しているこの地域は、農業が生活基盤の中心の土地でした。施設の高齢者の皆さんは、ご自分の生まれたお家、嫁がれたお家も農家で、殆ど「お化粧」などとは縁が無かった方達だったのです。「さあ、お化粧しましょう」と声を掛けても、皆さん「お化粧? した事ないから今更イイよ!」とおっしゃって、顔の前で手を振るばかり。それでも、なかば強引に軽いフェイスマッサージ、その後スチームタオルで念入りに拭き上げ、血行が良くなって艶々になったお肌を、化粧水、クリームで整え、極薄く白粉をつけ、頬紅、口紅を差し手鏡をお渡しすると、こぼれる様な笑顔になって「あぁ、こんなに綺麗にしてもらって! 私が化粧をするのは一生に3度。1度目は結婚式を挙げた時、2度目はコレ。3度目は冥途に行く時だねェ!」の言葉に「そんな事をおっしゃらず、何度でも綺麗になりましょう」と、またの約束をしました。毎週「温かいタオルでお顔を拭きませんか? サッパリしますよ」「ピンクの口紅をつけてみましょう。似合いますよ」など、どう声を掛ければその気になって下さるかと試行錯誤の連続でした。
 そして3年経った今、「お早うございまーす」と道具を準備する間もなく「エステさんが来たよ!」と肘を突付き合って、お婆ちゃんどうしで知らせ「今日は父ちゃんが面会に来るかもしれないから」と少し不自由になった手も、もどかしく車椅子を急がせて来て下さる様になりました。2時間に5、6人の方をさせて頂きます。寝たきりでお話が出来ない方にもさせて頂きます。残念ながら私は見る機会がありませんでしたが、車椅子生活のお婆ちゃんがお化粧を始めたら、生気を取り戻し、立ち上がり、遂には歩き出したという事がテレビで放映されたそうです。そのような劇的な事は起こりませんでしたが「イイよ!」と、お化粧などしたがらなかった方が、今では「毎週、楽しみ」と三年前にお会いした時より、明るく柔らかい表情を見せて下さる様な気がします。日々、排泄も含むお世話に忙殺されている中、「えッ? この状況でエステなの?」と戸惑い気味だった介護スタッフの方も「まァ、綺麗になりましたねェ。これからお嫁に行けますねェ」と声を掛けて下さり「そうかね? 行けるかね?」と、96歳のお婆ちゃんとのやりとりに笑いが起こります。
 本当に喜ばれているのだろうか? 本当に求められているのは何か?と悩みながらの3年間でした。しかし、利用者のお婆ちゃん達からは料金を頂かず、あくまでも施設のサービスとして行うという、温かい仕事を託して下さった奥様の女性としての思いを、ピンクの口紅に込めてお婆ちゃんに向き合っています。

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